デンマーク視察研修

第5回デンマーク視察研修 参加者募集中!


世界で最先端の社会福祉システムと
その背景にある思想を学ぶ!


dk08.JPG訪問先の高齢者住宅の居間 世界でもっとも「国民幸福度の高いデンマーク」で実施されている、地方都市の創意工夫による社会の仕組みを、高齢者施策を中心に学びます。
市および施設担当者の講義と高齢者の住宅の視察と、前回は、従来のヘルパー同行訪問に加え、介護スタッフとの話し合いの場を設けました。
『高齢者の住まい』『介護の担い手』『認知症のケア』など、超高齢社会日本の現在の課題に、約50年前から取り組む先人から、わが国の高齢者 ケアに希望と可能性を見出すことができる研修旅行となることを確信しております。

◇◆今回の研修内容の重点項目(予定)◆◇


デンマークではお年寄りの一人暮らしがごく普通です。それはこの国では18歳になると若者は独立して親元から離れるため、 その時点で夫婦だけの生活となり、その結果としてごく自然な形で自立したお年寄りの暮らしがあります。日本も近年、 急激な高齢世帯の増加があります。

1.高齢者の住環境(住宅・ケア付き住宅)の特徴を学ぶ
 ○ケア付き高齢者住宅の部屋は、広くなくとも、最小限の使いやすい設計や設備
 ○集合住宅においても、プライベートと他者と交流する環境の両方が可能な設計
 ○安全と安らげる空間の住宅設計

2.高齢者の介護・医療の特徴を知る
 ○独居の方の生活を支える訪問介護システムと24時間ケアの工夫
 ○認知症ケアの工夫
 ○福祉用具の貸与システム
 ○医療と介護の連携の実際
 ○予想以上にハードな介護予防体操の実際

3.職業教育としての介護スタッフ養成の特徴
 ○現場実習と個別指導を重視する教育
 ○介護スタッフに同行し仕事の現場を見る

募集要項

◆研修期間
  2013年3月17日(日)~3月24日(日)〔6泊8日〕
◆研修参加費
  お一人様 390,000円+燃油特別付加運賃・空港税等 約50,000円
  *成田発の往復航空運賃、宿泊費(2人一部屋)、研修プログラム費用
    及びプログラム内の交通費、通訳費用、研修資料代、朝食6回、
    夕食1回分、機内食を含みます。
◆最小催行人数 15名
◆申込締切 2013年1月31日(木)ただし定員に達し次第締め切ります。
◆事前研修会 2013年2月16日(土)13:00-16:00 (予定)

ENTER

↓ワード版↓
ENTER
↓PDF版↓
ENTER

ネストヴェズ市の福祉施策・財務

Denmark01.jpg自ら講義を担当されるネストヴェズ市長(当時)・ヘニング・イエンセン氏

市の高齢者施策の概要と基本理念、高齢者が選択できる住宅の種類とその特徴および在宅ケアサービス等について学びます。

配食システムについて

オンブズマン制度を徹底して行う中でも利用者からの厳しい指摘を受けて工夫改善する配食サービスシステムの講義と、衛生的かつ合理的な調理現場の見学と、試食として昼食も用意していただきます。

ケアスタッフの養成について

教育学・哲学・心理学を基礎に、介護については、現場を重視したカリキュラムで、根拠に基づく介護を行うために講義と実習を織り交ぜた教育の特色を学べます。

補助器具の提供

補助器具の給付制度から、誰が選定し、いつ、どのように提供するか、そして市における機器の集中管理システムの実際を学びます。

携帯型コンピューターによるケアシステム

訪問介護にも、ICT(情報コミュニケーション技術)が導入されており、各自が訪問先で実際に用いる方法など、具体的な説明を受けます。

サービス利用者同行訪問

Denmark02.jpg ヘルパーのレジッテルさんと利用者(訪問介護先にて) デンマークも人件費の削減は深刻な課題です。訪問介護スタッフと高齢者が住む住宅に出かけ、実際 の介護の現場を見聞し、言葉はわからなくとも、利用者と介護者の「こころ」の交流が伝わり、介護 のあり方を深く学ぶことができる貴重な研修です。

認知症の地域ケア

最新の認知症専用住宅の環境とケアの工夫等の講義と利用者と過ごすことや、介護スタッフとの情報 交換で、『認知症ケア』の先進国であるデンマークのケアを学びます。

デンマークにおける高齢者の急性期医療とホームドクターの連携を中心に

デンマークも財政政策から病院の統廃合が進められています。今回は、急性期医療からホームドクタ ー制度を敷く在宅医療への移行の方法を中心に、高齢者に対する医療の流れと、中でも、認知症ケア の工夫も盛り込む予定です。


ネストヴェズ市について

dk06.JPG

 同市は、首都コペンハーゲンから電車で1時間のところにある自治体(コムーネ)で、とくに福祉施策に力を入れており、すでに09年6月でプライエムを全廃し、新たにプライエボリと呼ばれる新たなケア付住宅に転換しています。プライエボリは、住宅環境、生活スタイル、ケアのあり方等を革新し、デンマークは今新たな高齢者サービスの実践に入りました。

デンマークについて

 デンマークは、世界中でもっとも行き届いた福祉制度を確立した国のひとつとして知られています。デンマークは1988年に、従来のプライエム(日本の特養スタイルの高齢者施設)を2010年1月1日をもって全廃することを宣言しました。
デンマークの高齢化率は、日本ほどのスピードではないものの、1980年の14.4%から、2008年には15.6%と上がってきています。

福祉に注力しながら経済成長の高い国

  デンマークでは、国民の医療・教育・福祉は原則として国家の責任と負担により提供されています。つまり無料です。一方で、平均的な国民の税負担は所得の50%程度、付加価値税は25%という、高福祉高負担の国でもあります。しかし、医療や福祉、教育にそれほど力を入れていながら、デンマークは世界中で経済成長率がもっとも高い国のひとつで、経済は安定的に発展しています。そして何よりも国民の8割が、「税金は高いけどデンマークに生まれてよかった」と誇らかに言えるこの国はすばらしいと思います。

デンマークが福祉に力を入れた理由

  元社会省大臣のアナーセン・デンマーク大学教授は、かつてこう語られました。「所得が少なければ生活が苦しくなります。所得を確保するためには仕事や雇用を確保しなければなりません。また人口が少なければ国の生産力も拡大しません。デンマークでは女性も含め、国民全体が質の高い生産力、担い手になってもらう必要がありました。だから、育児、福祉、医療などに力を入れる必要があったし、質の高い労働力の確保のために教育を充実し、金持ちだけが医療や教育を受けられるのではなく、国民の誰もが健康で、社会で必要な人材になることが必要だったのです。  
そこで国民すべてが安心して働ける制度や環境づくりに力を入れてきました。」

理念にも費用対効果にも厳しいデンマーク

  デンマークが国民のために福祉や医療に力を入れているとはいえ、決して国のお金をジャブジャブ使っているわけではありません。高齢者や障害者の福祉について、できるだけ主体性や尊厳性を確保することを大切にしつつ、国民負担が重くならないよう効率性を図っています。費用対効果についての国民全体の意識はわが日本よりもたいへん厳しいものがあります。
  プライエム(特養スタイル)をやめて、プライエボリ(新しいケア付住宅)のコンセプトや制度に発展させたこともその理由でもあります。フレキシブル(柔軟性)とセキュリティー(保障、安全性)を融合化した新しい理念と取り組みは「フレキシキュリティ」という新たな言葉、概念をデンマークに創出しました。
  また、福祉にかかわる様々な専門職の教育、人材養成にたいへん力を入れていることは福祉の質を高めています。わが国のように、わずか120時間の講習で介護保険サービスに従事できるのではなく、最低でも14ヶ月もの教育がなされます。