コラム 渡邉芳樹

『認知症や意思疎通が困難な人の新型コロナワクチン接種のための意思決定の手引き』

日本臨床倫理学会のワーキンググループが作成した手引きです。
認知症の方など、ワクチン接種の同意確認がとりづらい場合の意思決定支援にお役立てください。(2021.6.28)

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趣旨

2021年4月、COVID-19パンデミックに対処する有用な方法としてコロナウイルスワクチンの接種が、高齢者施設において開始された。
しかし、高齢者施設(障害者施設でも同様です)では、認知症をはじめとして、意思決定能力が低下して意思疎通が難しい入所者が多数おり、本人の意向を確認することが困難な状況が見受けられる。

国は「医療行為には本人の同意が前提」との見解を示しているだけで、本人から有効な同意が取得できない入所者への対応は施設に任されているのが現状である。
特に、家族がいない場合には、問題が複雑になり、施設関係者も困惑している現状がある。

そこで、日本臨床倫理学会は、この倫理的問題の重要性に鑑み、会員から寄せられたパブリックコメントを基に、ワーキンググループでディスカッションを重ね、「認知症や意思疎通が困難な人の新型コロナワクチン接種のための意思決定の手引き」を出すことにした。
施設関係者など、新型コロナワクチン接種に関わる人々の意思決定支援に役立つことを望んでいる。

日本臨床倫理学会






渡邉 芳樹

NPO法人 福祉フォーラム・ジャパン 会長
こどもの国協会 理事長
元・駐スウェーデン特命全権大使

時事通信掲載のコラム 厚生福祉巻頭言から転載





宮武 剛

NPO法人 福祉フォーラム・ジャパン 副会長
財団法人 日本リハビリテーション振興会 顧問
(社会医学技術学院/PT、OT養成専門学校)

月刊「健康保険」(健康保険組合連合発行)のコラム「宮武剛の社会保障言論」から転載