デンマーク視察研修

第4回デンマーク視察研修 参加者募集中!


世界で最先端の社会福祉システムと
その背景にある思想を学ぶ!


dk08.JPG訪問先の高齢者住宅の居間 世界でもっとも「国民幸福度の高いデンマーク」で実施されている、地方都市の創意工夫による社会の仕組みを、高齢者施策を中心に学びます。
市および施設担当者の講義と高齢者の住宅の視察と、今回は新たにヘルパーの同行訪問に加え、介護についてスタッフと情報交換の場を 設けます。
『高齢者の住宅』『介護の担い手の確保』『認知症ケア』『終末期を住み慣れた住居で』など、超高齢社会日本の課題に、 約50年前から取り組むデンマークの先人から、わが国の高齢者ケアに希望と可能性を見出すことができる研修旅行です。

研修参加要項

◆研 修 期 間
  2012年3月19日(月)~ 3月26日(月)〔6泊8日〕
  *オプショナルツアーご参加の場合、29日(木)帰国【9泊11日】
◆研修参加費
  お一人様 390,000円+燃油特別付加運賃・空港税等 約60,000円
    (オプショナルツアーご参加の方は、上記に34,000円追加)
  *成田発の往復航空運賃、宿泊費(2人一部屋)、研修プログラム費用
    及びプログラム内の交通費、通訳費用、研修資料代、朝食6回、
    夕食1回分(機内食含む)を含みます。
◆最少催行人数 15名
◆申 込 締 切 2012年2月10日(金)ただし定員に達し次第締め切ります。
◆事前研修会 2012年2月25日(土)13:00-16:00 (予定)

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ネストヴェズ市の福祉施策・財務

Denmark01.jpg自ら講義を担当されるネストヴェズ市長(当時)・ヘニング・イエンセン氏

主に市の高齢者施策の概要と基本理念、高齢者が選択できる住宅の種類とその特徴および在宅ケアサービス等について学びます。今回は、障害者施策も講義に盛り込みます。

配食システムについて

多様なニーズに対応する市の配食サービスシステムの工夫を含めた講義と衛生的かつ合理的な調理現場の見学を行います。

ケアスタッフの養成について

ケアスタッフの養成について、在学中のていねいな個別指導や、根拠に基づく介護を行うために講義と実習を織り交ぜたカリキュラムの特徴を学びます。

補助器具の管理システムについて

補助器具の給付制度から、誰が選定し、いつ、どのように提供するか、そして市における機器の集中管理システムの実際を学びます。

携帯型コンピュータによるケアシステム

在宅ケアには、ICT(情報コミュニケーション技術)が導入されています。訪問介護では、各自が訪問先でどのように用いるか、具体的な説明を受けます。

サービス利用者同行訪問

Denmark02.jpg ヘルパーのレジッテルさんと利用者(訪問介護先にて) 訪問介護スタッフと高齢者が住むさまざまな種類の住宅に出かけ、ご本人ができることは行っていただく介護の実際の場に同行します。短時間ですが、利用者と介護者の「こころ」の交流が伝わり、今までの研修参加者からも最も意義ある実習だったと言われるプログラムです。

認知症ケアの工夫について

最新の認知症専用住宅の環境とケアの工夫等の講義と見学、またもう一ヶ所のケア付き住宅に併設する若年型認知症ケアを学びます。

病院と地域ケアの連携による高齢者ケア

多くの高齢者が、病院は治療する場として、終末期は住み慣れた住居で過ごされます。ここでは病院の見学と在宅医療・在宅ケアとの連携の実際を講義していただきます。


ネストヴェズ市について

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 同市は、首都コペンハーゲンから電車で1時間のところにある自治体(コムーネ)で、とくに福祉施策に力を入れており、すでに09年6月でプライエムを全廃し、新たにプライエボリと呼ばれる新たなケア付住宅に転換しています。プライエボリは、住宅環境、生活スタイル、ケアのあり方等を革新し、デンマークは今新たな高齢者サービスの実践に入りました。

デンマークについて

 デンマークは、世界中でもっとも行き届いた福祉制度を確立した国のひとつとして知られています。デンマークは1988年に、従来のプライエム(日本の特養スタイルの高齢者施設)を2010年1月1日をもって全廃することを宣言しました。
デンマークの高齢化率は、日本ほどのスピードではないものの、1980年の14.4%から、2008年には15.6%と上がってきています。

福祉に注力しながら経済成長の高い国

  デンマークでは、国民の医療・教育・福祉は原則として国家の責任と負担により提供されています。つまり無料です。一方で、平均的な国民の税負担は所得の50%程度、付加価値税は25%という、高福祉高負担の国でもあります。しかし、医療や福祉、教育にそれほど力を入れていながら、デンマークは世界中で経済成長率がもっとも高い国のひとつで、経済は安定的に発展しています。そして何よりも国民の8割が、「税金は高いけどデンマークに生まれてよかった」と誇らかに言えるこの国はすばらしいと思います。

デンマークが福祉に力を入れた理由

  元社会省大臣のアナーセン・デンマーク大学教授は、かつてこう語られました。「所得が少なければ生活が苦しくなります。所得を確保するためには仕事や雇用を確保しなければなりません。また人口が少なければ国の生産力も拡大しません。デンマークでは女性も含め、国民全体が質の高い生産力、担い手になってもらう必要がありました。だから、育児、福祉、医療などに力を入れる必要があったし、質の高い労働力の確保のために教育を充実し、金持ちだけが医療や教育を受けられるのではなく、国民の誰もが健康で、社会で必要な人材になることが必要だったのです。  
そこで国民すべてが安心して働ける制度や環境づくりに力を入れてきました。」

理念にも費用対効果にも厳しいデンマーク

  デンマークが国民のために福祉や医療に力を入れているとはいえ、決して国のお金をジャブジャブ使っているわけではありません。高齢者や障害者の福祉について、できるだけ主体性や尊厳性を確保することを大切にしつつ、国民負担が重くならないよう効率性を図っています。費用対効果についての国民全体の意識はわが日本よりもたいへん厳しいものがあります。
  プライエム(特養スタイル)をやめて、プライエボリ(新しいケア付住宅)のコンセプトや制度に発展させたこともその理由でもあります。フレキシブル(柔軟性)とセキュリティー(保障、安全性)を融合化した新しい理念と取り組みは「フレキシキュリティ」という新たな言葉、概念をデンマークに創出しました。
  また、福祉にかかわる様々な専門職の教育、人材養成にたいへん力を入れていることは福祉の質を高めています。わが国のように、わずか120時間の講習で介護保険サービスに従事できるのではなく、最低でも14ヶ月もの教育がなされます。